国立大学法人 岡山大学

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岡山の産業界とともに地域の特性を踏まえた博士人材の育成・活用プロジェクトを始動 ~ナレジッジワーカーとしての博士人材を地域変革と研究・イノベーション強化に生かすために~

2023年09月28日

 本学は9月22日に、岡山地域の産業界とともに博士号の取得を含めた博士人材の育成と活用を強化推進するためのプロジェクトを創設し、「岡山地域の企業とともに考える博士人材の育成と活用会合」をオンラインにて開催しました。
 まず、本学研究推進機構産学官連携本部の佐藤浩哉本部長・URAのファシリテートのもと、参加企業が自己紹介を行いました。その後、佐藤法仁副理事・副学長・URAが、国内外の大学院修士課程から進学する博士人材の育成や活用の状況と課題のほか、企業在籍人材の博士人材化についても、特に海外事例をもとに話題を提供。さらに人材の採用という側面から、半世紀前の我が国の高卒と大卒の育成と活用(採用)の歴史をもとに、現在の大卒・修士卒と博士卒との類似構造とそこから見えるポイントや行動変容に関わる取り組み、またアカデミアにおける旧態依然とした教員と大学院生(博士人材)という徒弟制度に似た風土の変革の進め方などについて幅広く紹介しました。
 その後、参加企業と活発に意見が交わされ、人事制度におけるインセンティブ設計や研究開発における博士人材活用等について様々な意見が出ました。今後、具体化を進めるとともに、本学おいて進めている大学院修学支援制度案などについても紹介することになりました。
 博士人材の育成と活用は、国家公務員における積極採用や大企業における活用など、様々な場面で議論されています。本学でも大学として博士人材の育成を推進しており、文部科学省補助事業「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」とJST「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」などを活用し、博士後期課程に進学する優秀な人材の確保を進めています。さらに育成だけではなく、本学技術職員を含めた大学職員の博士人材化や企業と連携して大学院博士・博士後期課程学生及び若手研究者ら博士人材の支援の一環とした学内競争的資金事業などを精力的に推進しています。
 今回のプロジェクトの始動について本学の那須保友学長は「ご参加いただいた岡山地域の産業界のみなさまに厚く御礼を申し上げます。博士人材というのは何なのか?他の人材と何が異なるのか?ということを“言語化”をすることは重要なことです。そして言語化とともに既存の制度に新たに組み込んでいくことが、その組織に変革を与え、ひいては社会変革につながると考えます。また、地域には地域の特性があります。地域の特性を生かす博士人材という本プロジェクトは、地域ならではの高度な知識をもとに新産業を含めたイノベーション創出を担う人材であるナレッジワーカー(Knowledge Worker)の活性化でもあると考えます。ぜひ地域からキラリと光る博士人材の施策を戦略的に進めていきたいと思います。そのために本学における博士人材育成と活用も変えていきます」とコメントしました。
 今後も本学は、岡⼭⼤学⻑期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向け、「知」と「技」の結集によりアカデミアが、地域と社会の変革を先導する気概を持った地域の特色ある研究大学として、様々な課題に挑戦します。今回の岡山の産業界とともに地域の特性を踏まえた博士人材の育成・活用プロジェクトを始動もその実現のための重要な取り組みのひとつです。今後も岡山大学と岡山地域の挑戦と変化にご期待ください。

<参考>
岡山大学科学技術イノベーション創出フェローシップ(OUフェローシップ)


【本件問い合わせ先】
研究推進機構産学官連携本部 本部長・上級URA 佐藤浩哉
E-mail:URA-info◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

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