創発研究者紹介

創発研究者 2020年度採択

楊 家家 Jiajia Yang
所属・役職:ヘルスシステム統合科学学域 教授
研究課題名:7テスラ超高磁場fMRI技術を新機軸としたヒト脳の多階層な機能の解明
所属パネル:合田パネル
本研究は、7テスラ超高磁場MRIを用いたヒト大脳皮質層の活動を計測できる革新的なfMRI技術を研究開発し、ヒトの大脳皮質層間の神経回路機能の解明を通じて、ヒト脳の多階層な機能の解明を目指しています。また、ヒトの様々な精神活動とその異常を各階層の脳機能に結びつけて理解し、認知症やパーキンソン病などの神経変性疾患の病因解明および画期的な早期診断・治療・予防法の開発への展開が期待できます。

冨樫 庸介 Yosuke Togashi
所属・役職:医歯薬学域(医) 教授
研究課題名:抗腫瘍免疫応答に重要な真のネオ抗原の同定と発がんとの関係解明
所属パネル:水島パネル
がん免疫療法の効果は未だ満足のいくものではないです。がん免疫では遺伝子変異由来の「ネオ抗原」が注目されていますが、従来の「ネオ抗原」だけでは説明できない現象も多く、本研究では今まで注目されていない領域の遺伝子や免疫細胞にも焦点を当て、「真のネオ抗原」を同定して治療応用を目指します。またがんになる手前の病変でも「真のネオ抗原」含めどのような免疫状態になっているか解明し、がんの予防方法などに応用します。

谷口 陽祐 Yosuke Taniguchi
所属・役職:医歯薬学域(薬) 教授
研究課題名:非天然核酸による損傷DNAシーケンシング技術の創成
所属パネル:水島パネル
これまでの技術では成し得ない遺伝子のキズである損傷核酸を含むDNAを直接正確に読み取るため、「損傷核酸を認識可能な人工核酸の創成」と「リン酸修飾体を用いたDNAシーケンシング技術」の開発に挑戦します。具体的には、損傷核酸やDNA合成酵素の性質を軸に化学修飾を施した人工核酸、DNA合成の材料となるトリリン酸体に化学修飾を施した人工核酸の化学合成を行い、ポリメラーゼ伸長反応への効果を詳細に検証します。
創発研究者 2021年度採択

Hara Emilio Satoshi
所属・役職:医歯薬学域(歯) 助教/研究准教授
研究課題名:細胞膜を基盤材料とした生体組織の修復技術の開発研究
所属パネル:天谷パネル
本研究では、生物学・材料科学の統合的なアプローチにより、細胞膜に存在する様々な因子を利用し、細胞膜を材料として迅速な「生体組織の修復技術」の開発を目指します。具体的には、多種細胞から細胞膜の断片を生成・単離し、生体材料と混合することで、バイオハイブリッド材料の開発を目指します。これらの技術を基盤に、組織修復の加速化を目指します。

根本 理子 Michiko Nemoto
所属・役職:環境生命自然科学学域(農) 准教授
研究課題名:がん細胞内過剰鉄を酸化鉄に変換する革新的技術の開発
所属パネル:阿部パネル
がん細胞は細胞内に多量の遊離鉄を蓄積し、この遊離鉄を利用して増殖・転移を活発化させています。驚異的な鉄代謝能力を持つ軟体動物のヒザラガイから見出した鉄酸化酵素および鉄沈着タンパク質の遺伝子をがん細胞に導入することで、細胞内の遊離鉄を不活性な酸化鉄として沈着させる技術の開発を目指します。本技術は、がんの治療だけでなく、磁気検出装置を用いたがんの早期診断にも応用可能な革新的技術となることが期待されます。

遠西 大輔 Daisuke Ennishi
所属・役職:病院ゲノム医療総合推進センター 准教授/研究教授
研究課題名:ハイブリッド遺伝子変異の全貌解明に基づく次世代がん精密医療の開発
所属パネル:天谷パネル
私たちがこれまで発見してきた、がん細胞の内部と外部を同時に制御する「ハイブリッド遺伝子変異」は、新たながん免疫療法の標的として注目されています。この研究では、一細胞解析と空間マルチオミクス・プロファイルを組み合わせることで、ハイブリッド遺伝子変異の全貌を明らかにし、新たな遺伝子変異の概念の確立を目指します。さらに、ハイブリッド遺伝子変異を標的とする次世代型のがん個別化免疫治療を開発します。

真下 智昭 Tomoaki Mashimo
所属・役職:環境生命自然科学学域(工) 教授
研究課題名:サブミリスケールのロボティクス基盤技術の創製と統合
所属パネル:井村パネル
サブミリスケールのモータ、ギア、センサ、機構部品、マイコン、ドライバ回路などの要素技術を新しく創り出し、ロボットとして統合することで、従来の技術ではできなかった小型サイズのマイクロロボットの研究開発を推進します。異分野の多くの研究者や技術者が、サブミリから数ミリオーダーのロボット・メカトロニクス技術を用いて様々な新しい研究にチャレンジできるような基盤技術を確立するとともに、自らも新しい融合研究に参加します。

川口 綾乃 Ayano Kawaguchi
所属・役職:医歯薬学域(医) 教授
研究課題名:上皮構造からの細胞離脱による器官形成制御
所属パネル:水島パネル
体を構成する各器官が適切な機能を発揮するためには、各器官が作られる発生過程で細胞たちが適切な位置に移動し配置されることが重要です。本研究では、脳の発生を主要なモデルとして、上皮構造から細胞が離脱し移動していく際に働く実行役分子に注目し、この仕組みを明らかにします。得られた成果を利用して、人工的に細胞を動かし、器官形成を制御する技術を得ることを目指します。
創発研究者 2022年度採択

宝田 剛志 Takeshi Takarada
所属・役職:医歯薬学域(医) 教授
研究課題名:四肢ヒト化マウスの開発によるがん研究のイノベーション
所属パネル:田中パネル
私は、「ヒト多能性幹細胞」×「がん研究(肉腫)」×「生殖工学(胚盤胞補完法)」といった、全く別々の分野の取り組みを融合させ、四肢ヒト化マウスを作製し、移植によらない同所性のヒト肉腫モデルを開発します。肉腫の起源が十分に解明されていないばかりか、マウス・ヒトのキメラ動物の作製成功例はなく、極めて挑戦性が高いが、これが成功すれば、臓器別ヒト化マウスによる同所性ヒトがんモデルの開発につながることが期待されます。

中道 亮 Ryo Nakamichi
所属・役職:岡山大学病院 助教/研究准教授
研究課題名:バイオ腱骨組織創出のための細胞周囲環境の役割の解明
所属パネル:天谷パネル
腱、靭帯は全身の様々な部位に存在し、骨と連結し、動物が運動を可能とするための重要な組織です。しかし腱や腱骨接合は一旦傷害を受けると自己治癒能に乏しく、既存の治療法では受傷前の状態に組織が回復することはありません。本研究では、幹細胞の周囲環境による分化制御メカニズムを理解すること、3Dバイオプリンターなど技術革新を利用して、バイオ腱骨組織の創出を目指します。

宮地 孝明 Takaaki Miyaji
所属・役職:自然生命科学研究支援センター 准教授/研究教授
研究課題名:小胞型神経伝達物質トランスポーターを切り口とした革新的創薬
所属パネル:水島パネル
神経伝達の異常は生活習慣病のがんや全身性の合併症を発症し、予後不良を引き起こします。分泌小胞に伝達物質を運ぶ小胞型神経伝達物質トランスポーターは神経伝達の起点となる必須分子ですが、その多くは不明です。私は独自のトランスポーター評価技術を用いて、小胞型神経伝達物質トランスポーターの全体像と仕組みを明らかにし、これを切り口として、生活習慣病の克服に資する全く新しいタイプの革新的創薬を目指します。
創発研究者 2023年度採択

菅 倫寛 Michihiro Suga
所属・役職:異分野基礎科学研究所 教授
研究課題名:光合成ベシクルを用いた光エネルギー変換の統合的理解
所属パネル:岡田パネル
光合成では、光化学系IIというタンパク質が、太陽光を利用して水分子からエネルギーを取り出します。このとき、光エネルギーの捕捉と電子の受け渡しがピコ~ミリ秒で次々と起こりますが、詳細は不明です。私はX線自由電子レーザーで、これら時間領域に起こる立体構造の変化を順に解析します。タンパク質のなかで協奏して起こる電子、スピン、立体構造の変化が反応を進行させる原理を解明し、人工光合成への貢献を目指します。
創発研究者 2024年度採択

石川 一也 Kazuya Ishikawa
所属・役職:医歯薬学域(薬) 助教
研究課題名:植物ヘムの病原体感染に果たす役割
所属パネル:榊原パネル
(更新中)

鈴木 弘朗 Hiroo Suzuki
所属・役職:環境生命自然科学学域 助教/研究准教授
研究課題名:遷移金属酸化物テンプレートによる原子層半導体の革新的合成法
所属パネル:古原パネル
(更新中)