規制の対象となる物・技術・国
(1)リスト規制
外為法の政令の別表(輸出貿易管理令 別表第1)に具体的に明示されている貨物を輸出する場合や、非居住者に技術を提供する場合に、経済産業大臣の許可の取得を義務づける規制。リストには、軍事技術に転用可能な民生品も掲載されているため、研究テーマが軍事技術に密接に関連していなくても該当する可能性があります。全地域向けが対象で、該当するものは必ず許可が必要となります。持ち出そうとする研究機材が規制対象か否かが分からない場合には、メーカーや販売代理店に該否判定書をもらって確認することが望ましい。
○外国人の場合の居住者と非居住者の判定 | |
1) | 外国人は、原則として、その住所又は居所を本邦内に有しないものと推定し、非居住者として取り扱うが、次に掲げる者については、その住所又は居所を本邦内に有するものと推定し、居住者として取り扱う。 1.本邦内にある事務所に勤務する者 2.本邦に入国後6ヶ月以上経過するに至った者 |
2) | 1)にかかわらず、次に掲げる者は、非居住者として取り扱う。 1. 外国政府又は国際機関の公務を帯びる者 2. 外交官又は領事官及びこれらの随員又は使用人。ただし、外国において任命又は雇用された者に限る。 (蔵国第4672号 昭和55年11月29日より抜粋) |
(2)キャッチオール規制
リスト規制に該当しない場合であっても、提供の目的、取引先の情報等から判断して、提供する貨物及び技術が大量破壊兵器等の開発等に使用されるおそれがある品目の場合、事前の経済産業大臣の許可取得を求める規制。グループAを除く全地域向けが対象で、用途や需要者により許可申請の要否が決まります。経済産業省は、貨物や技術が大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれがある場合を示すため「外国ユーザーリスト」を公表しています。このリストに掲載されている需要者が関与する取引である場合には、 特に慎重に確認・学内審査されることが必要になります。
○グループA(輸出管理を厳格に実施している26カ国。これらの国を仕向地とする場合は規制の対象とならない。)
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、大韓民国、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ(令和5年7月21日~)
法 律 |
対象(大学の場合)
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規 制
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外国為替及び外国貿易法(外為法) | 第48条 (輸出の許可等) |
輸出:海外出張や共同研究等に伴う計測機器、実験材料、部品、生物材料、細菌類等の国外への持ち出し | ・リスト規制:リストに記載された武器、兵器の開発等に用いられる恐れの高い貨物や役務を規制。全地域向けが対象。 ・キャッチオール規制:リスト規制以外でも大量破壊兵器の開発等に用いられる恐れのある貨物や役務を規制。米、加、EU諸国等の26カ国(グループA)向け以外の全地域向けが対象。 |
第25条 (役務取引等) |
役務:海外出張や海外からの研究者・留学生等の受け入れに伴う技術の提供、指導 |